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錫の歴史

 

紀元前1500年頃にはエジプト王朝で使用されていたこと(エジプト古代遺跡より発掘された「巡礼者の壺」)が確認されています。
日本には1200〜1300年程前の飛鳥・奈良時代に中国から渡来しました。
栄西禅師による仏教伝来と共に茶宝(薬宝)として入って来たのが始まりと伝えられています。
奈良の正倉院には錫製の瓶子型容器など、宝物として保存されています。
神酒徳利や茶器に古くから使われ、貴族などの特権階級に広く愛用されてきました。
江戸時代前期には、庶民にも広まったそうです。

 

 

 

錫の特性

 

錫(すず)は、古来から知られている元素であり、錫の元素記号は
ラテン語のStan‐numに由来しています。
やわらかい銀白色の金属であり、酸化被膜のため酸素におかされず水とも反応しません。

錫は低融点(約230℃)の比較的柔らかい金属で、他の金属と合金化しやすい性質を持っています。
錫は原鉱石である錫石から得られ、年間16万5000トンが生産されており、地球上には約450万トン以上が存在すると言われています。
産地は主に中国、東南アジア(インドネシア、マレーシア、タイ)中南米(ボリビア、ブラジル)などで、ほとんど輸入されています。酸やアルカリに侵食されにくく、不純物を吸収する性質があります。

古来より水を浄化する、水垢が出にくく花が長持ちすると伝えられています。

美しい光沢を持ち、食品中に含まれる有機酸に対して鉄を犠牲陽極的に保護することから食品や飲料用の缶用材料として今でも広く使用されています。
また、熱伝導率が極めて高いので、「保冷・保温」性に優れています。

イオン効果が高く、お酒やお茶・水もまろやかに美味しくなるといわれています。宮中では、意味が転じて中身のお酒を「おすず」と言うそうです。 
 

 

 

錫製品のお手入れ方法

 

ご使用後は、水またはぬるま湯で、中性洗剤を使いスポンジ(メラミンスポンジである程度汚れが取り除けます)のやわらかい方の面で洗ってください。洗い終わった後は、水気を十分に拭き取ってください。(水滴を残すとシミになる恐れがあります。)

埃や手垢などは、柔らかい布(さらし等)で拭き取って下さい。

傷が付く為、お手入れには金属タワシや研磨剤の入ったものはご使用にならないで下さい。
 

使用上の注意

錫はやわらかい金属です。
落とすとへこみます。

錫は熱伝導率が高い金属です。
熱伝導率が高い為、熱いものを入れると持てなくなり、また火傷をする恐れがあります。
直火でのご使用はお避け下さい。
錫は融点(約230度)が低い為、おやめ下さい。

冷蔵庫の冷凍室で保管しないでください。
蓄熱量が大きい為、手が凍り付き凍傷になることがあります。
また、組織変成が起こることもあります。

長い間お使い頂くと、飲み物の種類によって内側の色が変色する場合があります。
 
食器洗い機・電子レンジの使用はできません
冷蔵庫の冷凍室で保管しないでください。

 

 

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